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台風20号の影響で風車倒壊!!

2018/08/30 19:37:31 | 事件・事故 | コメント:0件




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風車倒壊事故の概要


風車倒壊-1

兵庫県の淡路島北部にある北淡(ほくだん)震災記念公園(淡路市小倉)では、敷地内にある風力発電用の風車(羽根を含め高さ59・5メートル)が根元から倒れた。県警によると、24日午前7時45分ごろ、公園の男性職員から「風車が倒れている」と通報があった。けが人はなかった。 設置者の淡路市によると、風車は公園内の施設に電力を送っていたが、昨年5月に故障し、休止中だったという。
朝日新聞デジタル 「高さ60m風車が倒れる けが人なし 淡路島」 より引用(掲載日2018年8月24日11時05分)
リンク先:https://www.asahi.com/articles/ASL8S34TQL8SPIHB00B.html

ニュースを見た時の第一印象


風車倒壊-2

 このニュースをメディアで見た時、風車根元の倒壊した断面がとてもきれいだったので、施工不良が原因で倒壊しちゃったかなという印象でした。写真を見ると基礎部分が小さく見えますが破断している部分の下にも基礎部分が埋まっていると思われます。にしても破断面に写っている鉄筋量が少なく見えますね。こんなもんなのでしょうか。

倒壊した風車の基本情報


 機種名 MWT-S600
 定格出力 600kw
 風車形式 水平軸プロペラ式可変翼
 可変速ギアレス型風車
 風車メーカー 三菱重工業㈱
 設置場所 兵庫県淡路市(旧北淡町)
 設置年月 2002年3月
 ローター径 45m
 ハブ高さ 37m
 回転数 10~34rpm
 定格風速 13.0m/s
 カットイン風速 2.5m/s
 カットアウト風速 25.0m/s
 発電機形式 永久磁石式
 多極同期発電機
 出力制御 ピッチ制御
 AC/DC/ACリンク(電力制御)
 風向制御 ヨー制御


第7回新エネ大賞受賞(2003年)


 この風車2003年2月6日に、「第7回新エネ大賞 新エネルギー機器の部 経済産業大臣賞(金賞)」を受賞してます。受賞対象は「永久磁石式多極同期発電機を用いた低騒音・高性能可変速ギアレス風車(可変速ギアレス同期風車と略す)」とのことで、詳しくないのでよく分かりませんが、当時の最先端技術の結晶だったのでしょう。まさか13年後、倒れるとは想像していなかったと思います。
 一般財団法人 新エネルギー財団の第7回新エネ大賞受賞掲載ページへのリンク先:https://www.nef.or.jp/award/kako/h14/p03.html

日本国内の風力発電設備導入量


 2017年度までの日本の風力発電設備の導入量は設備容量3,502,787kw、設置数2,253基(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 2018年3月)にものぼります。これだけ設置してたら事故は起こってしまうのでしょう。過去の風車倒壊事例を調べてみると同類の事例もありました。倒壊事故以外にもブレードの破損、火災や落雷、原因不明の事故もありましたが、倒壊事故だけ抜粋しました。
 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 日本における風力発電導入量の推移のグラフへのリンク先:http://www.nedo.go.jp/library/fuuryoku/pdf/02_dounyuu_suii.pdf

過去の風車倒壊事例


 事故年月 場所 被害状況 原因 実測された
 最大瞬間風速
 2003年9月 沖縄県宮古島 6基中3基倒壊 台風14号 74.1m/s
 2007年1月 青森県岩屋 25基中1基倒壊 発達した低気圧 25.8m/s
 2016年9月 鹿児島県肝付町 15基中2基座屈 台風16号 92.0m/s
 2018年8月 兵庫県淡路市 1基倒壊 台風20号 28.6m/s


 風車が倒壊した過去の事例を調べると3件ありました。ブレードの破損とか火災、ナセル・ハブの落下など他にも事故は結構起きてるようです。JWPA(一般財団法人 日本風力発電協会)のホームページに風車安全データベースがあり過去の風車事故を閲覧することが可能です。事故概要的な項目しか記載されていません。詳細は調べないと分かりません。
JWPA風車安全データベースへのリンク先:事故報告リスト 、 トラブルレポート
 沖縄と鹿児島の風車倒壊に関しては被災時の風速が桁違いなので倒壊しても不思議ではないですね。2007年1月に青森県の岩屋ウィンドファーム発電所で起きた倒壊事故は今回の倒壊事故で観測された最大瞬間風速に近いので、この事故報告書を調べれば今回の事故原因も見えてくるかも。

岩屋ウィンドファーム発電所


 まず最初に岩屋ウィンドファーム発電所の事故当時の概要。

 所在地 青森県下北郡東通村岩屋地内
 定格出力 32.5MW(1,300kw × 25基)
 運転開始 2001年11月10日
 風車メーカー デンマーク ボーナス社製
 (現 独シーメンス社)
 回転数 19rpm
 ローター径 62m
 ハブ高さ 68m


岩屋ウィンドファーム発電所11A号風車 倒壊事故


風車倒壊-3

 事故当時、北海道及び東北地方は2007年1月6日より発達した低気圧に見舞われ、強い風が吹いていた。いわゆる爆弾低気圧かな。1月7日夕方には岩屋ウィンドファームにおいても40m/s超の最大瞬間風速が記録されている。
 事故発生前の状態は1月4日より発電機故障のため運転を停止し、マニュアルに従いアイドリング状態に設定していた。アイドリング状態とは、主軸ブレーキを開放状態にロックし、かつ、ピッチ固定用ブロックにてブレードをフェザリング位置に固定することだそうです。
 倒壊事故が発生する1月8日1時ころからピッチ角度が変化し始め、7時ころにはブレード2枚がファイン状態に移行、残り1枚はフェザリング状態を維持。ここが原因ですね。何らかの異常で固定していたブレードピッチ角が変化し、ロータ回転数が過回転状態になり設計条件以上の風荷重を受けたことにより倒壊。
 風車倒壊発生は1月8日21時51分。20時間以上も異常な状態を放置していたことになります。経過を見ると1月7日23時50分にオイル下限エラーが発報されて以降、風車挙動の異常を示すエラーが続発し、倒壊直前にはロータ回転数が23rpmから38rpmへ上昇(定格19rpm)しているにも関わらず運転員はエラーの発生を把握することなく、対応もとらなかったそうです。理由は事故、故障ほか異常発生時の対応は運転保守要領に規定しているが、長期停止中の風車に発生したエラーへの対応については規定していなかったから。なんともお粗末な。少しでも気にかけて計器を確認していれば。どんな操作盤かは知りませんが。
 とまあ事故の概要はこんな感じです。今回の事故に類似する点は多い気がしますが、淡路の事例では停電していたという情報もありますので、現状の設備では防げなかったのかなぁ。

 ピッチとかフェザリングとか専門用語が出てきて自分がよく分からなかったので調べたものを記載。

分かりにくい用語の説明



 フェザリング状態とファイン状態     
      
 風車を停止している状態はフェザリング状態、ブレードが風向に対して水平。(写真左)
 通常の発電状態ではファイン状態、ブレードが風向に対して垂直。(写真右)
 
 

風車倒壊-4

 ピッチ、ピッチ角       
        
 風向とブレードとのなす角。 

風車倒壊-5

 カットイン風速、カットアウト風速     
      
 カットイン風速とは発電可能な風速の最小値。
 カットアウト風速とは発電可能な風速の最大値。
 
 
 アップウィンド方式、ダウンウィンド方式    
     
 アップウィンド方式とはロータの回転面がタワーの風上側にある風車。一般的。
 ダウンウィンド方式とはロータの回転面がタワーの風下側にある風車。
 
 
 ヨー制御       
        
 風車ロータを常に風向と正対するように方位制御すること。
 上記のアップウィンド方式の風車には必ず必要となる。逆にダウンウィンド方式の風車は
 自動的にロータが風向に正対するのでヨー制御装置が不要であるという特徴がある。
 
 
 


今回の淡路で起きた倒壊事故と岩屋の事故の比較


 今回の事故はまだまだ不明なことが多く、これから調査され原因が明らかになっていくでしょうが、分かる範囲で比較してみました。

 項目 岩屋 淡路
 運転状態 停止 停止
 ブレード状態 フェザリング 不明
 被災時の風速 25.8m/s 28.6m/s
 監視状態 無監視 無監視
 電力供給 正常 停電
 原因 風車の過回転 不明



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 ニュースの記事によると”23日、職員が帰宅した際には風車に異常は見られなかった”とあるので、事故当時風車の管理は無人だったようです。このことが結果的には人身事故を防いだ可能性はありますね。事故当時に何らかの風車の異常を把握してしまっていたら確認のために倒壊する風車へ近づいていたかもしれません。

風車倒壊事故の原因


 事故の一報を伝えたニュースにある”手抜き工事が原因か!?”みたいなことは、過去の事例とか風車のことを調べると間違いであることが分かりました。一般的な報道だけ見ていると施工不良だと思い込まされてしまいますね。
 岩屋での風車倒壊事故でも倒壊した基礎の材料強度試験を実施していますが、鉄筋及びコンクリートともに所定の強度があり、適切な材料が使用されていたことが分かっています。材料以外に施工不良があったかもしれませんが、その辺は安全率の範囲内ではないでしょうか。そして、岩屋の倒壊事故最終報告書にも原因は過回転による設計強度以上の風荷重であると記載がありました。
 設計通りに施工されているにも関わらず、30m/s程度の風速で倒壊してしまう風車。制御できなくなった風車を停止するすべはあるのでしょうか?カットアウト風速以上の風が吹いた場合、風車を制御出来ている状態では安全性が保持されますが、一度制御出来ない状態に陥ってしまうと過回転による設計強度以上の風荷重でブレードの破損や今回のような風車倒壊へとつながってしまいます。そう考えると、設計強度そのものの妥当性が揺らいできちゃう。事実として倒壊してるし。でもまあ屈強で頑丈な風車を考えるより、悪条件下においても風車を制御出来る設備や体制を構築しないといけない気がします。なかなか難しいと思いますが、日々進歩する技術に期待するしかありません。ただ少し恐ろしい気持ちは残りました。右肩上がりに伸びている風力発電事業の闇ですな。まだまだ、今年も台風が来そうなので、類似の事故が起きないことを願っています。そして台風接近時や強風時は風車に近づかない。


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おまけの動画


 これ載せたら風車事業に悪影響になってしまうのかな。多分日本ではないと思いますが、詳細不明です。
  
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