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世界最大の浮体式洋上風車

2021/07/06 22:21:20 | 風車 | コメント:0件

 浮体式洋上風車は世界的に見てもまだ開発の初期段階だそうです。

 世界で初めての商用浮体式風力発電”Hywind Scotland”(6MW×5基=30MW)も完成したのは2017年なのでそこまで昔ではない。

 そんな中、2021年末、運転開始を目指して建設されている”Kincardine offshore wind farm”(9.525MW×5基=50MW)の風車部分の設置がほぼ完了したようです。

 少し前の記事で紹介した、日本の五島市沖に建設予定の浮体式洋上風力発電容量は2.1MW×8基=16.8MW。

 規模が違うので何とも言えませんが、組立方法とか日本でも参考になる部分があるかも。





1.掲載記事の紹介




Google翻訳

世界最大の水上風力発電所が最終形を取る

2021年7月5日by Adnan Durakovic

5基目と最終の9.525MW浮遊風力タービンは、スコットランドのアバディーンの南東約15キロメートルの係留地に接続されています。

キンカーディン05フローティングプラットフォームは、過去の週末にその係留地に接続されていたと、ファースト海底が言いました。

世界最大の浮体式洋上風車-01

プロジェクトにプラットフォーム係留コネクタとケーブル保護システムを提供したファースト海底は、ダイナミックケーブルのCPSの接続を支援するために、今年の夏後半にサイトに戻ると言いました。

完成後、50MWのキンカーディンは2MWと5基の9.525 MWヴェスタス風力タービンで構成され、世界最大の浮遊風力発電所となる。

2MWユニットは2018年10月からアバディーン沖で稼働しています。6基のタービンはすべて、原則電源によって設計された半潜水式フローティング構造に設置されています。

風力発電所はスペインのコブラグループによって開発されています。

引用元:offshorewind.biz | World’s Largest Floating Wind Farm Takes Final Shape



 記事によると、設置された浮体式風車の容量は9.525MWが5基と2MWが1基で合計50MW。

 着床式に比べるとそこまで大きいという印象ではないですね。

 着床式で次世代型と呼ばれているGEのHaliade-Xが容量13MW。(プロトタイプは12MW)

 【過去記事】で”Haliade-X”を取り上げていますので興味ある方はどうぞ。

洋上風車設置船不足!?

洋上風車設置船不足!?

 あくまで世界のお話ですが、洋上風車設置船が10年後の2030年には不足状態になる見込みだそうです。 2020年現在、世界では洋上風車を設置するために施工可能な洋上風車設置船32隻、重量物運搬船14隻。 2020年の作業需要は年間約8~13船。それが2030年までに5倍になるという予測が発表されています。 5倍ということは作業需要が年間で40~65隻。さらに2021年に商業運転が見込まれているGEの12-13MW Haliade-Xなどの次世代洋上風...


 日本の福島沖に実証実験で設置されていた浮体式洋上風車の容量は最大で7MW。

 これなかなかに大きいですよね。

 撤去されちゃいますが。もったいない気がする・・・。

 

2.浮体式洋上風車の形式について



 浮体式洋上風車の形状について。

 浮体式なので風車自体はどれも浮いていますが土台部分の形状がいろいろあります。

 大きく分けて4種類。

 ポンツーン(バージ)型、セミサブ型、スパー型、TLP型。

 それぞれの特徴。

 

ポンツーン(バージ)型

世界最大の浮体式洋上風車-02
 主に底面が平らな箱舟(ポンツーン、バージと呼ばれる)に
風車を設置したもの。




 

セミサブ型

世界最大の浮体式洋上風車-03
 セミサブ=Semi-Submersible=半潜水という意味。
 ポンツーン形式の改良形で、浮体を所定の喫水まで沈めて半潜水状態となる形式のもの。




 

スパー型

世界最大の浮体式洋上風車-04
 円筒ブイ型の浮力体を垂直方向に延長することによって浮力体の大部分を没水させる形式。喫水を確保することで浮力を見込んでいるので、重心を下げることによって浮体を安定させる仕組み。




 

TLP型

世界最大の浮体式洋上風車-05
 TLP=Tension Leg Platform。
 強制的に半潜水させた浮力体と海底を緊張係留ラインで結び、強制浮力によっ
て生じる緊張力を利用して係留される形式。




 現段階で実用的な形式はセミサブ型とスパー型だそうです。まだまだ改良の余地はありそうですが。







3.「Kincardine offshore wind farm」



 「Kincardine offshore wind farm」風車建設の動画があったので紹介。

動画のリンク先:YouTube | Floating Offshore Wind Turbine Installation - Kincardine project Scotland

 浮体式風車の形状としてはセミサブ型と呼ばれるものですね。

 風車メーカーはデンマークに本社がある”Vestas”。

 日本企業とも繋がりがあり、 日本の三菱重工との合弁会社”MHIべスタスオフショアウィンド”を2014年に設立。

 2021年2月に日本におけるべスタス製風力発電設備の販売事業を行うMHIべスタスジャパン株式会社を設立。

 
世界最大の浮体式洋上風車-06

世界最大の浮体式洋上風車-07
 係留するアンカー積込。このメーカーのアンカーは福島沖の浮体式実証実験でも使用されているようです。

世界最大の浮体式洋上風車-08
 どこかで製作されたフロート部分が「Edinburgh」(エジンバラ)に到着して「Dundee」(ダンディー)へ運ばれます。
 ちなみにエジンバラはスコットランドの首都。

世界最大の浮体式洋上風車-09

世界最大の浮体式洋上風車-10

世界最大の浮体式洋上風車-11
 ここで上部の風車部分を組立。

世界最大の浮体式洋上風車-12

世界最大の浮体式洋上風車-13
 風車部分の組立を行っている間に、現地でアンカー設置作業。

世界最大の浮体式洋上風車-14
「Pacific Duchess」
総トン数:6641t
主機関:3,285kw×4=13,140kw
     (4,467.6ps×4=17,870.4ps)
長さ:92.0m
幅:22.0m
喫水:7.5m
ハンドリングウインチ:500t巻

世界最大の浮体式洋上風車-15
 風車部分の組立完了。

世界最大の浮体式洋上風車-16
 一体化した浮体式風車を現地へ曳航。

世界最大の浮体式洋上風車-17
 事前に設置したアンカーと繋いで完成。
 
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