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関空 連絡橋タンカー衝突・・・運航再開見通せず!?
2018/09/05 21:12:47 |
事件・事故 |
コメント:0件

関空 連絡橋タンカー衝突、冠水・・・運航再開見通せず!?
目次1.タンカー連絡橋衝突の概要
2.【動画】台風21号の強風 関西国際空港の連絡橋に船が衝突
3.衝突したタンカーの航跡
4.関空島南側は走錨のリスクが高かった!?
5.錨の特性
6.衝突事故の原因
7.復旧方法は?

タンカー連絡橋衝突の概要
引用
4日午後1時半ごろ、関西空港と対岸を結ぶ連絡橋(大阪府泉佐野市)に、タンカー「宝運丸(ほううんまる)」(全長89メートル、2591トン)が衝突した。第五管区海上保安本部によると、タンカーは積み荷の航空燃料を関空に下ろしたあと、連絡橋南側の海上でいかりをおろして停泊していたが、台風の風に流されたという。乗組員11人にけがはなく、タンカーの燃料の流出もないという。
宝運丸が衝突したのは関空側から20メートル付近で、船体の右舷側が連絡橋と並行の状態でぶつかった。ブリッジが連絡橋にめり込み、連絡橋の一部がひしゃげるようにして壊れた。
衝突後、乗組員から五管本部に「(ブリッジ上部の)船橋から浸水している。乗組員は機関室に避難する」と連絡があったが、その後は携帯電話がつながらず連絡が取れていない。タンカーは停電してエンジンが動かせず、自力航行ができない状態という。
五管本部の担当者は「乗組員の安全が最優先。天候の回復を待って救助作業を始める」としている。
【動画】台風21号の強風 関西国際空港の連絡橋に船が衝突
衝突したタンカーの航跡
マリントラフィックで「HOUN MARU - oil products tanker」(宝運丸)を検索、航跡を確認してみました。

確認すると2018-09-04 02:04UTC(日本時間の9月4日午前11時4分)から航跡が残っており、連絡橋への衝突が予測される位置は2018-09-04-04:40UTC(日本時間の9月4日午後1時40分)でした。
ニュースによると航空燃料を関空に下ろした後、連絡橋南側の海上で錨泊していたとあるので、走錨し始めていることに気づいて船橋に行ったが、主機に切り替えるのが間に合わず、そのまま衝突してしまったのでしょうか。
この事故による死傷者は居なかったのが幸いですが、けがしなくてよかったねで済まされる状況ではなさそうですね。かなりの方が台風が過ぎ去った後も空港島に取り残されてしまいましたし、連絡橋の破損も激しく、復旧にどれほどの時間とお金が掛かるか想像できません。保険がどこまで適用されるのかよく分かりませんが、復旧するまでの間、多くの方に影響が及んでいくのは明らかでしょう。
関空島南側は走錨のリスクが高かった!?


海上保安庁 関西空港海上保安航空基地のリーフレットリンク先:走錨海難を防止しよう!
衝突したタンカーが錨泊していたエリアは、第五管区海上保安本部に所属する関西空港海上保安航空基地がリーフレットを発行し、注意喚起を行っている区域でした。これ、船長はご存知だったのでしょうか。知っていれば台風という悪天候の中、錨泊しているときに自船の動向を確認し、事故は防げたでしょう。
リーフレットの中でも”錨泊後も油断は禁物、船橋には当直を配置・見張りの励行をしてください!”とありました。
錨の特性

錨(碇、いかり、アンカー、Anchor)とは船舶等を水上の一定範囲に止めておくために、鎖やロープを付けて海底や湖底、川底へ沈めて使う道具のことである。大きく分けると「ストックアンカー」と「ストックレスアンカー」があり、前者は爪の部分が固定されており、後者は爪の部分が40度前後の角度で正面又は裏面に自由に動くことができるというものらしいです。一般的なのは後者の「ストックレスアンカー」。
船舶の錨泊時は、この錨に錨鎖(チェーン)を連結したものが使用される。繰り出す錨鎖の長さL(m)の基準は通常時で水深D(m)に対して3D+90、荒天時は4D+145
が基本とされている。現地海域の水深はおよそ20mくらいなので通常時で150m、荒天時で225mが必要となります。
船舶にぶら下がっている錨を見ると分かりますが船体に比べて非常に小さいですよね。錨だけでは船の固定が出来ないことは容易に想像できます。錨鎖の重量で固定しているといっても過言ではないので、錨鎖の繰り出す距離は非常に重要だと思います。

上記の把駐時の動きを見ると分かりやすいですが錨は寝ている状態じゃないと把駐力が生まれません。水深が深く、錨鎖距離が短いと把駐力が低下し、走錨の原因にもなります。今回の衝突したタンカーがどの程度錨鎖を出していたかは調査されると思いますが、十分でなかった可能性はあるでしょう。
しかしながら、十分な錨鎖を出せる錨泊地又はもっと安全な錨泊地への移動が難しかったとも考えられるので荷役のスケジュール的にその場で錨泊せざるをえなかったとしたら、会社側にも責任があるかもしれません。
衝突事故の原因
今回の衝突事故の原因として以下の要因が考えられます。勝手な推測ですが。
①.当直、見張りは十分だったのか? | ||
②.錨鎖距離は適切だったのか? | ||
③.錨泊場所は適切だったのか? | ||
①が一番重要だと思いますが、錨泊後の監視体制がどのようになっていたのか。走錨したとしても早期に適切な対応を取っていれば大事には至らなかったと思います。監視はしていたけど別のトラブル・故障が発生していた可能性もありますが、救難の一報を連絡することは出来るでしょう。
②はそもそも錨鎖距離が短すぎた可能性。これは関空でも50m/s以上の風速が観測されているので、適切な距離の錨鎖だったとしても走錨することは考えられます。
③は当初、どこで錨泊していたのか。走錨しているので流されていますが、ある程度の離隔を確保した場所で錨泊していればすぐに衝突することは回避できます。海上保安庁も関空島の陸岸から3マイル以上離して錨泊してくださいと注意喚起しています。1マイルは1,852mなので3マイルは5,556m。連絡橋の長さは3,750mで空港島と本州側との間は5㎞以下なので、基本的には連絡橋南側の関空島と本州側との間は錨泊してはいけない場所になりますね。
復旧方法は?
この橋桁どうやって直すんでしょうね?あれだけ破損してたら再利用は難しいのかな。少々お高い工法でも最短の工程で復旧しないと通行止めにしてる損害が大き過ぎますよね。
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