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大島大橋に貨物船接触…送水管破断、断水
2018/10/24 19:54:07 |
事件・事故 |
コメント:0件

貨物船が橋に接触。最近で言うと関空連絡橋の事故が記憶に新しいですが、山口県で貨物船が橋に接触する事故が起きてたみたいです。今回は台風とか荒天が原因ではなく、単純なヒューマンエラーかと思いますが調べれる範囲で調べてみました。
事故の概要は後に記載してありますが、橋に接触したのは2018年10月22日午前0時半頃という夜中の接触だったみたいです。
大島大橋に貨物船接触…送水管破断、断水
目次1.事故の概要
2.「ERNA OLDENDORFF」の航跡
3.接触した貨物船「ERNA OLDENDORFF」
4.事故の原因
5.事故後の現状
6.過去の類似事故
6-1.事故の概要
6-2.事故の原因
1.事故の概要
引用
22日午前1時半頃、山口県柳井市と対岸の周防大島(周防大島町)を結ぶ大島大橋(長さ1020メートル)付近を航行した船から柳井海上保安署に「橋からケーブルが落ちている」と通報があった。同署で調べたところ、船が接触したとみられ、本州から同島に水道水を送る送水管が破断していた。同島では同日朝から、ほぼ全域で断水している。
同署によると、船はそのまま立ち去ったが、船舶自動識別装置(AIS)の記録で、マルタ船籍の貨物船(2万5431トン、乗組員21人)と判明。広島県・呉港沖に停泊していた同船に第6管区海上保安本部が無線で問い合わせ、「マストとクレーンが橋に当たった」と認めた。同署は船長らから業務上過失往来危険の疑いで事情を聞く。
送水管は直径45センチのポリエチレン製で、橋げたの下に設置されていた。橋の中央付近で破断し、ぶら下がっている状態だ。他に本州からの送水管はなく、同町は同日午前8時から約9000世帯(約1万5000人)で断水。光ケーブルも破断し、ケーブルテレビの視聴などができない。復旧のめどは立っていないという。町などは応急給水所を町内十数か所に設けて対応する。
引用元:YOMIURI ONLINE 2018年10月22日送水管破断し島が断水…貨物船が接触し立ち去る
この記事内で「呉港沖に停泊」、「マルタ船籍」「総トン数 2万5431トン」という情報が出ていたので「marinetraffic」ですぐに検索してみると、事故を起こした船が「ERNA OLDENDORFF」であるということが判明しました。
2.「ERNA OLDENDORFF」の航跡

「marinetraffic」では直近の航跡を確認することが出来るので、航跡を見てみると、大島大橋を通過していました。
大島大橋通過時の航跡画像とグーグルマップの航空写真を重ねてみました。

「marinetraffic」で航跡の船マークにカーソルを合わせると、個別の速度、進路、日時を確認することができます。

橋の通過前までは8ノット以上で航行していましたが、橋の手前で少し方向を変えながら減速して橋を通過した後に4.6ノットまで速度は低下していました。やはり接触した時に気づいていたのでしょう。
証言で「マストとクレーンが橋に当たった」とありますが、クレーンを起こした状態で航行していたのかは不明ですが、もしそうだとしたら論外ですね。「ERNA OLDENDORFF」の画像の横から撮影されたもので船橋のマストとクレーンの高さがおよそどの程度か推測してみました。

結果は、推定ですが船橋のマストが水面から35mくらい。クレーンのポスト最上部で約32m。画像の状態で船の喫水線から水面までがおよそ3m。船舶所有会社の「OLDENDORFF CARRIERS」ウェブページでスペックを見ると満船喫水は10.5mと記載ありました。「marinetraffic」で現況の喫水は7mとあるので満船喫水との差は3.5m。事故当時の高さは画像の状態に近かったことがわかります。
大島大橋の水面からの高さは31.9mなので、クレーンはぎりぎり当たったかどうか、船橋上部のマストは完全に接触していると推測できます。
3.接触した貨物船「ERNA OLDENDORFF」



リンク先:OLDENDORFF - OUR ECO FLEET
4.事故の原因
今後、事故の調査がされると思いますが、今回の事故原因として考えられるのは、船長の航行経路確認不足だけだと思います。
潮位とか積荷状態による喫水で航行できる時もあるかもしれませんが、どのみち危険な航行になってしまうと思いますし、橋を通過しないルートで呉方面に行けば済む話なので。
思い込みとか勘違い、単純な確認忘れで大きな事故につながってしまいます。十分注意してもらいたいものです。
過去にも国内で同類の事故が起きてますので参考までに。
5.事故後の現状
引用
山口県周防大島町と本土を結ぶ橋に貨物船が衝突し、配水管が損傷した影響で大規模な断水が起きていて、復旧のめどは依然として立っていません。
周防大島町では22日に大島大橋に貨物船が衝突して配水管などが損傷し、町のほぼ全域で断水していて、橋も通行止めになっています。町は本土と島を結ぶ唯一の陸路が断たれていて、通勤や通学で橋を利用していた町民に臨時の船を用意しました。
町民:「(断水は)1月の経験があるので、皆、冷静に行動したが、橋がストップして出られないというのはパニックですね」
また、断水は復旧のめどが立っていません。
引用元:テレビ朝日系(ANN) 10/23(火) 11:54島の断水続く 本土を結ぶ橋に貨物船衝突で 山口
6.過去の類似事故
「2006年8月14日首都圏停電」。これもう12年も前の話なんですね。
事故の概要
引用
2006年(平成18年)8月14日、日本標準時午前7時38分頃、旧江戸川の千葉県浦安市と東京都江戸川区との境界付近を航行中のクレーン船がブームを江東線78、79号鉄塔間の送電架空線(275kV江東線1、2号)に接触させ、これを切断し、東京都区部にある葛南、世田谷、荏田の3か所の変電所が停電。系統切替により午前7時46分に荏田変電所が復旧したが、午前7時58分には系統から孤立していた品川火力発電所が自動停止(朝の需要の伸びに伴い供給力とのバランスが崩壊したため)、江東、城南変電所が停電した。
これにより東京都区部などで97.4万軒、神奈川県横浜市北部・川崎市西部で22万軒、千葉県浦安市、市川市の一部で19.7万軒、合計約139.1万軒で停電が発生した。
軒数としては1987年7月に発生した首都圏大停電の際の280万軒に次ぎ日本で2番目に多く、電力量では過去4番目となったが、大手会社の多くが夏季休みとなっている時期のため、平日(月曜日)でありながら電力需要が通常より低下していたこともあり、およそ1時間17分後の9時55分に高圧受電2軒を除いた全てが復旧、残る2軒も3時間6分後の午前10時44分に全面復旧した。その後、江東線の復旧作業を行い、17日午前0時54分に1・2号線で送電を再開した。
停電による信号機の停止を始め、鉄道に影響が出たほか、ビルのエレベーターに、人が閉じ込められる事故が相次いだ[5]。電力の暫定復旧後も電力供給が十分でなかったことから、交通機関では冷房の出力を弱めて運行が行われた。
携帯電話に輻輳が発生し、IP電話が一時不通になった。日本国政府は、総理大臣官邸危機管理センターに情報連絡室を設置した。
千葉県警察は、器物損壊罪や電気事業法違反容疑を視野に入れて捜査を行ったが、故意犯ではない事故として同年9月に立件を見送っている。同年9月22日、横浜地方海難審判理事所は、横浜地方海難審判庁に海難審判開始を申し立て、2007年(平成19年)3月1日、作業責任者のクレーン船の船長に2ヶ月の業務停止命令、クレーン船を牽引していた牽引船々長には1ヶ月半の業務停止命令、クレーン運転士には勧告、三国屋建設には指導是正の勧告が下った。
引用元:ウィキペディア 2006年8月14日首都圏停電
事故の原因
クレーン船の全長33mのクレーンブームを起こしたまま航行した為。気が付きそうなもんですけどね。ちなみに送電線の高さは水面上16m。
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