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3次元物理探査船

2020/12/01 17:04:24 | 船舶 | コメント:0件

3次元物理探査船-01

 変わった形の船を紹介。

 トップの画像を見るとCGで横に引き伸ばしたような幅広さ。なんと船幅70m。

 そして上から全景を見ると船首だけ?みたいな形。

 何をする船なのか?

 簡単に書くと、探査線を使用して3次元地図を作成し、海洋資源探査に役立てるという目的のようです。

 作業の性質上、幅広の形になっているようですが、幅70mというのはあまり見ない気がします。

 3次元物理探査船について分かる範囲で調べてみました。




1.3次元物理探査船について



 3次元物理探査船とは、より効率よく海底資源の物理探査を行うために考案されたようです。

 船幅が広いのは、広範囲のデータを効率よく収集するため。



<特徴>
 三次元物理探査船(資源調査船)は、海底下の地質構造を立体的に調べる船です。具体的には、船尾に設置されたエアガンと呼ばれる装置から海底に向けて音波を発し、海底面や地層の境界に当たって反射した音波を、船から引っ張るケーブル(ストリーマーケーブル)に設置したセンサーで受振し、地下のデータを取得します。
 取得したデータを、スーパーコンピュータで処理することで、地下の構造を立体的にイメージします。このイメージは、石油・天然ガスの存在のポテンシャル(有望性)を評価するために利用されます。
 本船による三次元物理探査データの取得は、将来的な日本周辺海域での石油・天然ガスの発見、開発に大きく貢献するものです

三次元物理探査船によるデータ取得のイメージ図
3次元物理探査船-02

三次元物理探査船による調査イメージ図
3次元物理探査船-03

取得したデータを使った地下構造のイメージ図
3次元物理探査船-04

引用元:JOGMEC | ニュースリリース 2018年度



 ノルウェーの資源調査会社Petroleum Geo-Services(PGS)社のHPに掲載されている紹介動画。
動画のリンク先:PGS | Ramform Titan In Operation

3次元物理探査船-07


 実際の調査状況

3次元物理探査船-08

3次元物理探査船-09

3次元物理探査船-10

3次元物理探査船-11

3次元物理探査船-12

3次元物理探査船-13

3次元物理探査船-14


2.物理探査船



(1)「Ramform Hyperion」



3次元物理探査船-05

 船体概要。

船名Ramform Hyperion
竣工2017年
総トン数20,637 t
長さ104.20 m
70.00 m
深さ不明
喫水6.2m
最大
展開時
2,100m
長さ8,100m


 この船、日本の長崎県で建造されてました。2017年、三菱造船香焼工場で建造。

3次元物理探査船-06

 ストリーマの展開範囲は最大で幅16本の時に140m間隔なので2,100m、長さは8,100m。面積はおよそ東京ドーム362個分。


Google翻訳

ラムフォームハイペリオン

電力、牽引密度、および冗長性は、高品質の地震データ生成を最大化するための鍵です。 Ramform Hyperionはそれらすべてを提供します。相互に冗長なツインエンジンルームは、合計26.4メガワットのパワーパックを提供して、3つの6000 kW制御ピッチプロペラを駆動します。彼女は、そのうちの2つだけを使用して、マルチセンサー記録装置を完全に牽引できます。

このRamform Titanクラスの船には24個のストリーマリールがあり、16個が横に並んでおり、2列目にさらに8個あります。これにより、大量の探査3D、高密度3Dまたは4D、およびその間のあらゆるものを柔軟かつ効率的に取得できます。バックデッキのレイアウトは、6つの独立したソースアレイ処理ブームによって強化されています。この装備の装備により、柔軟性と安全性が向上し、より迅速な展開と復旧が可能になり、運用中の気象ウィンドウをより完全に活用できるようになります。操縦可能なソースとストリーマー、および自動化されたギア処理システムは、この旗艦船の柔軟性と効果にさらに貢献しています。

2つの船尾に打ち上げられた作業船により、限界気象でも安全なストリーマーのメンテナンスが可能です。海上および地震設備のメンテナンスは、運用を損なうことなく、海上でますます実行できるようになっています。乾ドック間隔は7.5年です。

通常の操作モードでは、Ramform Hyperionには16のストリーマーが装備されていますが、必要に応じて、24のストリーマーを牽引できます。

引用元:PGS | Ramform Hyperion




(2)「たんさ」



3次元物理探査船-15

3次元物理探査船-16

 船体概要は以下の通り

船名たんさ
竣工2009年
総トン数13,721 t
長さ102.20 m
40.00 m
深さ8.5m
喫水7.4m
最大
展開時
1,500m
長さ8,000m


 この船はもともと「Ramform Hyperion」を所有するノルウェーの資源調査会社PGS社の船でした。2019年に日本への引き渡しが行われ、「Ramform Sterling」から「たんさ」へ船名が変更されました。

 建造費は5億8000万ノルウェークローネ。1ノルウェークローネ=11円換算だと日本円で63億8000万円。


ラムフォーム・スターリング(Ramform Sterling)は、ノルウェーの資源調査会社Petroleum Geo-Services(PGS)社が運用する三次元物理探査船である。経済産業省所管の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)へ売却され、資源調査船として運用される予定である。

概要
JOGMECの三次元物理探査船としては同じくPGS社から購入された資源(しげん、旧ラムフォーム・ヴィクトリー)があるが、船齢が20年を超え老朽化が進んでいる。本船はこれを更新し、また船主を経産省からJOGMECへ移すことで、国による三次元物理探査の継続的な実施に加え、民間企業による探査への活用等、機動的・効率的な運用を可能にする。民間への物理探査船の貸し出しは平成28年の法改正によって可能となった。

日本への引き渡しは2019年4月下旬を予定しており、売却価格は約130億円とされている。売却後の船名は公募により決定される予定であり、2019年5月28日付でJOGMECは船名”たんさ”での無線局免許を受けている。引き渡し時点で売却額の75%、2020年中に残額が支払われる予定である。建造経費として平成31年度予算までで累計100億円が要求されており、調達事業終了は平成32年度を予定している。

売却契約には、1年毎に更新される最大10年間のサービス契約が含まれており、この契約についてPGS社は日本郵船と日立製作所との合弁会社を設立している。日本郵船は船舶運航、日立はデータ処理、PGS社は技術・運営サービス、サポート、訓練を担当する予定である。 なお契約にはストリーマの売却は含まれていない。

特徴
ラムフォーム・スターリングは2009年にSTXヨーロッパ造船ラングステン造船所で竣工した。本船はラムフォーム・ソブリンとともにPGS社の”S”型調査船に属している。”S”型はストリーマリール26基を搭載し、22本のストリーマを同時に展開・曳航できる。ストリーマと同時に曳航されるエアガンが海底に地震波を発し、その反射をストリーマで受信することによって精細な三次元地図を作成する。これを分析して資源探査に役立てることができる。ストリーマの展張範囲は幅1500m×長さ8000mに及び、資源(旧ラムフォーム・ヴィクトリー)の属していた”V”型に比べ調査可能面積は60%増加しているとされる。また、電気推進方式を採用しており、優れた環境性能を持っている。

航海計器はX及びSバンド航海レーダー(FAR-2117、FAR-2837)、ソナー(FE-700)、GPS(GP-150)、AIS(FA-150)などフルノ製のものが多く用いられている。

引用元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | ラムフォーム・スターリング







(3)「海洋石油721」



3次元物理探査船-17

3次元物理探査船-18

  船体概要は以下の通り

船名海洋石油721
竣工2014年
総トン数13,075 t
長さ107.40 m
28.00 m
深さ7.50 m
喫水6.80 m
最大
展開時
1,100m
長さ8,000m


 中海油田服务股份有限公司(China Oilfield Services Limited)が所有する物理探査船。

 (1)、(2)で紹介した船ほど船幅は広くないので最大展開時の幅も少し狭い仕様になってます。

3次元物理探査船-19

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